消費者金融等と過去に取引があった場合、完済してから10年を経過していなければ、払い過ぎた利息(過払い金)の返還を請求することができます。
いわゆるグレーゾーン金利と呼ばれておりますが、利息制限法の上限金利と出資法(違反すると刑事罰がある)の上限金利の間にある金利のことを言います。さらに言えば、以前は貸金業法上、利息制限法を超える利息でも一定の要件を満たせば合法でした。その一定の要件を満たしているかどうかをめぐって、数十年に渡り、法律家と貸金業者との争いがあり、現在においては、貸金業者側がその一定の要件を満たしていると立証することはほぼ不可能となりました。そこで、利息制限法を超える利息は実質的に違法状態となったわけです。平成21年6月18日より改正貸金業法が施行され、グレーゾーン金利は撤廃されました。
10万円未満…年20%まで
10万円以上100万円未満…年18%まで
100万円以上…年15%まで
利息制限法を越える金利であっても、一定の厳格な要件を満たせば、有効。
29.2%
例えば、次のように平成16年1月1日に10万円を29.2%の金利で借り、1月31日に2万円、2月15日に83,388円を返済し完済した場合、過払い金はいくらになるでしょうか。計算してみましょう。
計算書①(約定金利29.2%) | |||||||||
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取引日 | 借入額 | 返済額 | 日数 | 遅延日数 | 利率 | 利息 | 遅延損害金 | 元金返済額 | 残元金 |
H16.01.01 | 100,000 | 29.2000% | 0 | 100,000 | |||||
H16.01.31 | 20,000 | 30 | 29.2000% | 2,400 | 0 | 17,600 | 82,400 | ||
H16.02.15 | 83,388 | 15 | 29.2000% | 988 | 0 | 82,400 | 0 |
計算書②(利息制限法上限利率での計算書) | |||||||||
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取引日 | 借入額 | 返済額 | 日数 | 遅延日数 | 利率 | 利息 | 遅延損害金 | 元金返済額 | 残元金 |
H16.01.01 | 100,000 | 18% | 0 | 100,000 | |||||
H16.01.31 | 20,000 | 30 | 18% | 1,479 | 0 | 18,521 | 81,479 | ||
H16.02.15 | 83,388 | 15 | 18% | 602 | 0 | 82,786 | -1,307 |
この場合、1,307円の過払金が発生していることがわかります。